私がビジネスを通して学んできたことの中で、最も重要だと感じているのが「付加価値」という概念です。
社会人として、ビジネスマンとして、そして経営者としてさまざまな挑戦をしてきた中で、「すでにあるものに意味を与える」ことで、全く違った価値が生まれる瞬間を何度も経験してきました。
ビジネスはすべて「付加価値」で成り立っている

例えば、一杯500円のカレーライスがあるとします。
これに「イチロー選手が毎日食べているカレーライスです」と付加価値をつけるだけで、価格は2倍の1,000円になってもおかしくありません。
実際、価値とは「商品そのもの」ではなく、それにまつわる物語や意味によって判断されることがほとんどです。
ディズニーや有名ブランドのTシャツも同様です。
無地のTシャツと、ブランドロゴが入ったTシャツでは、消費者の評価も価格も大きく変わります。
つまり、「モノそのものの価値」よりも、「どう見えるか、どう伝わっているか」が重要なのです。
自分の価値も“ブランディング”次第で変わる

この考え方は、商品やサービスに限らず、「自分自身」にも当てはめることが可能です。
「自分をブランディングする」ということは、自分の中にある要素を再定義し、伝え方を変えるということ。
なりたい自分、見られたい自分をあらかじめ“キャラクター設定”することで、周囲の評価や期待も自然と変化します。
私自身も、海外でレストランを経営しながら「どのように自分が見られるか」を意識するようになりました。
それにより、お客様・スタッフ・取引先との関係性にも良い影響が生まれ、ビジネス全体がよりスムーズに進むようになったと感じております。
価値は“当てはめ方”と“言い換え”で生まれる
豆腐が売れなかった時代でも、「高たんぱく・低糖質」という文脈を与え、「豆腐バー」として再定義することで人気商品に生まれ変わりました。
つまり、既存のものでも「誰に、どんな見せ方をするか」で価値は大きく変わります。
また、「田舎には何もない」と言われる地域も、「何もない静けさ」「人が少ない安心感」と言い換えることで、新たな魅力を持つ場所になります。
坂道の多い街は「ジムタウン」として健康志向の人に響くエリアにも変化します。
このように、“言葉を変えるだけで価値が変わる”というのは、非常に実践的なマーケティング思考です。
経営現場での応用|自分の店の付加価値を設計する

現在私がフィリピンで運営しているレストランでも、この付加価値の思考法を軸に店舗設計を行っております。
parqal mall というモール内の2階フロア、外観の高級感、、一般的には「入りづらい」と思われがちな要素もあります。
しかし、それらを「非日常の体験」「記念日や特別な日用の空間」として再定義し、ターゲットを明確にすることで、自然とお客様の期待値と一致させることができています。
さらに、店前に試食コーナーを設けることで「まず体験してから選べる安心感」を提供し、入りづらさを逆に価値へと転換しています。
まとめ|「あるもの」を活かせる人が強い
ビジネスも人生も、結局は「付加価値」で成り立っています。
無理に新しいものを生み出す必要はなく、すでにあるものを、どう魅せるか、どう伝えるかで価値は変わります。
- 商品の価値は、ストーリーで2倍以上に
- 自分自身も、見せ方次第で価値が変わる
- 言葉を変えることで、短所すら武器になる
「自分には何があるか」ではなく、「すでにあるものをどう活かすか」。
この思考を習慣化することで、自分のビジネスにも、自分自身にも“付加価値”を与え続けられると確信しております。
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